油山市民の森からのお知らせ

油山市民の森からのお知らせ

2021/09/17 きのこ豆知識
オチバタケのなかまたち(落葉茸)


■生える時期
ハリガネオチバタケ、ハナオチバタケ、スジオチバタケともに夏から秋にかけて観察することができます。
■生える環境
落ち葉がたまっている場所(公園の隅にたまっている落ち葉や、森の中の落ち葉だまりに発生することが多いです)
今回は、3種類の「オチバタケのなかま」たちを紹介します。

■ハリガネオチバタケ(針金落葉茸)
ハリガネオチバタケは落ち葉から生えます。傘の大きさは1センチから3センチほどで、傘の色は淡い茶褐色になっていて、傘の中央は茶色く複雑なしわが顕著についています。傘の中央から傘の縁にかけて深い溝線が付いていますが、ハナオチバタケやスジオチバタケのように色は付いていないようです。

↑傘の中央ははっきりとしわが出来ているのも特徴のひとつです。

↑拡大写真。たまにこのしわの上に水玉(雨のしずく)がのっているときがあります。

↑柄は黒色ですが、幼菌時は柄の茶褐色の透明な構造になっています。

↑乾燥していてもきのこの形は小さくなりますが比較的残っています

↑ヒダの数は13枚から15枚です。
■スジオチバタケ(筋落葉茸)
スジオチバタケは落ち葉や細かくなった枯れ木などに生えます。傘の大きさは1センチから2.5センチほどのきのこで、傘の色は全体的に薄いクリーム色をしていますが、傘の中央が藤色で、傘の縁にかけて藤色の溝線があるのが特徴です。

↑スジオチバタケの傘の中央も、ややしわ状になっています。

↑拡大写真。雨などによって色が薄くなっている個体は分かりにくいかもしれません…。

↑ハナオチバタケやハリガネオチバタケと比べると柄がちょっとだけ太いのと、柄の上の方は白っぽい色になっていて、根元付近は褐色になっていることが多いです。

↑ヒダの数は8枚から10枚です。
ハナオチバタケ(花落葉茸)
ハナオチバタケは落ち葉に生えます。傘の大きさは0.8センチから1.5センチぐらいで、綺麗なピンク色をしています。

↑傘の中央はやや赤みが強くて、放射状の溝線があるのが特徴です。ハナオチバタケの傘の中央にはしわはあるもののあまり目立ちません。

↑拡大写真。中央は濃いピンク色をしています。

↑柄は黒っぽく、光が当たると光沢があります。ただし、幼菌のときは柄の上部が透明なピンク色をしていてとてもきれいでした。比較的しっかりしていますが手で触ったり、古くなった個体などはとくにぽきっと折れることもあります。

ヒダの数は16枚から19枚。


■腐生菌は森のお掃除屋さん

もし、きのこがこの世界にいなかったら…森の中は枯葉や枯れ木で埋まっていたのかもしれません。植物がどんなに種子を作っても、子孫である木も草も育たず、植物をご飯にしている動物たちも生きていくことができないのですから…

カビやきのこなどの菌類たちの本体は落ち葉や腐朽木などに広がっている菌糸で、それらを食べながら生活しています。動植物の分解には、さまざまな菌類がバトンリレーを行うように、時間と共に菌類の種類も次々に変わっていきます。そうすることで、有機物を無機物へと分解して土に還しているのです。これによって私たち人間を含め自然界に暮らす生物すべてが原料を限りなく利用することができ、そして、生命の繋がりは永遠に続いていくのです。
ちょっと、森の中の落ち葉をめくってみると…きのこの菌糸も様々な種類が住んでいます。
菌糸マットでは下へ行くほど分解が進み落ち葉の形が次第に失われ、土にかえっていく様子を見ることができます。

ユキラッパタケというきのこを例にみてみましょう。このきのこは落ち葉がたまっている場所が大好きで、クモの巣のような菌糸を落ち葉上に張り巡らせています。

↑ユキラッパタケの菌糸を拡大したもの。
落ち葉を食べるきのこは他にもたくさんいて、姿かたちもさまざまです。今回は、きのこちゃんが野外で見つけた「菌糸のいろいろ」を紹介します。
↑クスノキの枯葉についていた青い菌糸。子実体は未確認ですが、青い菌糸を見つけたの初めてでした。
↑周りの落ち葉をめくると見つかった白い菌糸。放射状に広がって生えているものや、サンゴのように枝分かれしているものなどさまざまありました)
↑夜間森の中を歩いた時に偶然見つけました。光る菌糸はまるで線香花火のようですね。
参考
日本のきのこ増補改訂新版 今関六也、大谷吉雄、本郷次雄 編・解説(山と渓谷社)
くらべてわかるきのこ(原寸大) 吹春俊光 監(山と渓谷社)
たのしい自然観察きのこ博士入門 根田仁 著(全国農村教育協会)
見る・採る・食べるきのこカラー図鑑 今関六也、本郷次雄 監 小川眞 編著(講談社)
京もキノコ!一期一会 高山栄 著(京都新聞出版センター)


製作協力/DogaLABO
Access・Inquires アクセス・お問い合わせ
一般財団法人 
福岡市市民の森協会(指定管理者
〒811-1355 
福岡県福岡市南区大字桧原855-4
[管理事務所]
TEL
092-871-6969
FAX
:092-801-1463
MAIL
aburayama@shimi-mori.com
対応時間
:9時~18時(年中無休)
[自然観察センター]
TEL
092-871-2112
対応時間
:9時~16時30分(月曜休館)
交通アクセス