油山市民の森からのお知らせ

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2021/05/28 きのこ豆知識
オオゴムタケ(大護謨茸)


■生える時期
春から秋(だいたい4月から10月くらいまで)ただし、不完全世代(アナモルフ)はほぼ1年中観察することができます。
■生える環境
湿気の多い林内の朽ちた木や倒木などに発生します。

■特徴
幼菌はほとんど丸っこい形をしていて、成長すると頂部に穴が開いていきます。最終的にはお皿型へと変化していきます。

この穴の中の滑らかな部分が子実層面になっており、胞子がたくさん出てきます。(刺激を与えたりすると勢いよくでてきます)
オオゴムタケの外側は、黒っぽい色をしていて短毛(ビロード状)に覆われています。短毛は肉眼でも観察することできます。

断面を割ってみると、大半の部分はゼラチン状で触るとひんやりぷにぷにしています。

幼菌、成菌ともに肉厚でゴムのような弾力性があり、柄はありません。
食用としても利用されていますが、無味無臭で、図鑑によっては「口あたりの良くない外皮を取り除き、さっとゆでて、黒蜜やメープルシロップ、きな粉などをかければデザートとして楽しめる」と紹介されています。
■不完全世代(アナモルフ)と完全世代(テレオモルフ)
オオゴムタケにはしばしば、不完全世代を観察することができます。

↑オオゴムタケ(完全世代)と茶色い綿くず(不完全世代)
一見すると黒褐色のわたくずのような見た目ですが、触ってみると指にしなやなかな肌触りをしています。わりとしっかり材木に生えているようで雨が降ったりしてもその場に生え続けることが多いようです。大きさは2ミリほどで、中には不完全世代がついてない個体もあります。

「きのこ」には、イリオモテクマゼミタケなどのように有性生殖をする世代とは別にセミノハリセンボンなどのように無性生殖をする世代に別の学名(名前)が付けられることがあります。(詳しくは「オオセミタケ」でも書いています。★写真をクリックしたら「オオセミタケ」のページに移ります。)

不完全世代と完全世代は、見た目が違う分ほんとうに同じ種類なのか疑問に思うこともあります。これまで、キリノミタケ、冬虫夏草と呼ばれる菌類グループの一部、アラゲコベニチャワンタケの仲間など多数が知られています。
一見すると見分けがつかない不完全世代たち…もしかしたらそれは新種の可能性もあります。菌類の世界はまだまだ分からないことだらけなのです。
■偽菌核プレートとは
森の中を歩いて見つけた真っ黒い木の枝。普通は炭のような木が落ちてるな。という感じでほとんど気が付くことはないかもしれません。でも、今回はちょっとだけ立ち止まって観察をしてみてはいかがでしょうか?

特定の菌類たちは、偽菌核プレートと呼ばれる硬くて黒い壁をつくって生活をしています。これは、自らの細胞の残骸や分泌物でできていますが非常に固い物理的な「バリア」として機能しています。「バリア」をつくることで他の菌類たちに自分の陣地を邪魔されることなくゆっくりと食事をしながら、成長をし、きのこを作ることで胞子を飛ばすことができます。

↑黒い木を切ってみると、中から白い木材があらわれました。

↑内部の成長を観察していると、白い菌糸が多くはびこり始めました。
確かにそういわれてみると、偽菌核プレートを形成している木々はとても頑丈で衝撃にはとても強いです。しかし、この強固なバリアをはっていたとしても、他の菌類たちに脅かされることもあるようです。

↑偽菌核プレートに生えたアミスギタケ
きのこたちは色々な試練を乗り越えて、今日もたくましく生きていました。そんな生きものたちの事を少し学ぶことができてうれしかったです。
参考
驚きの菌ワールド 菌類の知られざる世界(日本菌学会編)
宮崎のきのこ(黒木秀一著 みやざき文庫116)
サイト名:
Discomycetes etc.( http://chawantake.sakura.ne.jp/data/Trichaleurina_tenuispora.html)観覧日5月25
製作協力/DogaLABO
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