油山市民の森からのお知らせ

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2021/07/30 きのこ豆知識
ヒイロタケ(緋色茸)


■生える時期
一年中観察することはできます。特に梅雨時期になると、幼菌が出始めて鮮やかな個体を見ることができます。

■生える環境
白色腐朽菌で主に広葉樹の枯れ木、枯れ枝に群生します。どちらかというと日の当たる場所を好みます。
■特徴
傘はほぼ、半円形や扇形。生える環境によっては、円盤のような形をしているものもあります。表面は鮮やかな朱色で新鮮な時は、フェルトのようなきめ細かい菌糸が絡み合い指で押すと指跡が残りますが、成長すると木質のように硬くなります。
↑環境によって形は変わりますが、幼菌の時は木から赤くて丸っこいのが出てきます。
↑成菌。扇のような形や半円型。

↑環境によっては円盤型のような形になるものもあります。
ヒイロタケは一年中その場に生え続けていますが、長い間雨風にさらされてしまうと赤みがだんだんと薄まってしまい、最終的には白っぽい色へと変化していきます。湿度が高い場所では、傘の表面に緑色の藻が付いていることもあります。

ヒイロタケの裏側も鮮やかな赤色で、よく見ると小さな管孔がたくさんついています。

↑管孔をルーペで観察してみると、
↑小さな穴穴が見えました。
裏側も、時間が経つと色が褪せてきます。

■白色腐朽菌とは
きのこの勉強をしているときに「木材腐朽菌」という言葉を耳にすることがあると思います。木材腐朽菌は名前の通り、木材を食べて、細かく分解し最終的にはボロボロになって土の一部へと変化してきます。そんな木材腐朽菌ですが、大まかに3つのグループに分けられています。
ひとつは、白色腐朽菌(木材を白く変色させるもの)。褐色腐朽菌(木材を褐色にし、ブロック状に崩れるもの)。軟腐朽菌(木材の表面に軟化現象をおこさせるもの)に分かれます。
→きのこ豆知識(番外編)でも取り上げています(写真をクリックするとみることができます)

白色腐朽菌は、木材中のリグニンを分解する能力を持ち、リグニンが分解された後に残っているセルロース、ヘミセルロースの色である白色に変色させることから「白色腐朽菌」と呼ばれています。このグループは、他の腐朽菌と比べて、寒さや直射日光が強く、乾燥や湿気がくり返し起こるような激しい環境でも生育することができます。
↑白色腐朽菌によって白くなった木(断面)
↑2年後、同じ木を撮影。ぼろぼろでした。
また、街中にある街路樹や公園木(サクラ・ケヤキなど)でも見ることができ、白色腐朽菌によって衰弱した樹木が道や車、建物などに倒れてくることもあります。

そんな白色腐朽菌ですが、私たちが食卓でよく見ているシイタケ・エノキタケ・マイタケ・ヒラタケなどは白色腐朽菌に分類されていて、比較的栽培もしやすいきのこになりますし、
クワガタ類の幼虫を飼育するために使用される「菌糸瓶」は、白色腐朽菌(オオヒラタケ菌、ヒラタケ菌、カワラタケ菌など)が中に入っています。
白色腐朽菌は良くも悪くも意外と身近で、人々とのかかわりも多いきのこのグループなのです。
参考
「山渓カラー名鑑 日本のきのこ増補改訂新版」今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編・解説
「原色日本新菌類図鑑2」 今関六也・本郷次雄編著

製作協力/DogaLABO
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