油山市民の森からのお知らせ

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2020/05/24 きのこ豆知識
ヒメヒカリタケ近縁種(姫光茸)

※先日配信をしました“ヒメヒカリタケ”につきまして、特徴(菌糸束やヒダの側脈など)や発生状況を見てみると別種である可能性が高いことが判明しました。また、国内に分布するヒラタケ型の小型発光菌は予想以上に多いものと推測されるため、外観的には特徴が似ていても、詳細に調べていけば別の種類であることも予想されます。以上のことをふまえて、今回放送したきのこは“ヒメヒカリタケ近縁種”として訂正させていただきます。

■生える時期
5月から10月くらいまで(発生量が多いのは5月から7月くらいまで)
※福岡県内での記録を参考に書いています。
■生える環境
湿度が多い沢沿いや、ため池のまわりなど。その周りに落ちている小さめの倒木や枝、などに生えていることが多いです。ホタルを見に来たら見つかった。ということもたまにあります。
(きのこちゃんイメージの風景)

■特徴
傘の大きさは、0.2センチから1.4センチくらいまで。表面は、白色から淡褐色で乾燥すると少し光沢があります。基部からは白い菌糸が見られました。ヒダの色は幼菌の時は白色ですが、古くなると黄土色や褐色に変化していきます。


だいたいこのきのこが生えている周辺には黒い菌糸束が目立って生えていることがありますが、環境によってはこの菌糸束がはがれて確認できないこともあります。


きのこの裏側と菌糸がよく光りますが、光り方は弱く、暗闇に目が慣れないと見ることができません…また、きのこが乾燥しているときや古い子実体では光を見ることが出来ませんでした。

■光るきのこについて
光るきのこは全てが担子菌門ハラタケ目に属しており、これまでに世界で約70種類が見つかっているそうです。日本でも、未記載種(正式に記載されていない種)を含め十数種がみつかっています。
光るきのこには、「菌糸だけが光るもの」と「菌糸と子実体の両方が光るもの」「胞子が光るもの」が知られています。そしてすべての光るきのこが同じ発光力を持っているかというと、そういうわけではありません。例えば、ツキヨタケの光は非常に弱く、暗闇に目が慣れないと「あぁ確かに光っているなぁ」というような感覚ですが、シイノトモシビタケの発光力はライトを消して暗くなった瞬間からその光は目で見ることが出来ます。

ちなみに、上の落ち葉は明るい状態で撮影したもの。下は暗くしてから撮影したものです。落ち葉や枝の中に入っている菌糸が光っているようです。
■不思議な光景
自然界の中では、不思議な光景を見ることがあります。それは、同じ種類のきのこなのに場所によって光り方の強弱にムラがあったり、全く光らないものまでいるということです。
なんでこのように変化があるのでしょうか…?
不思議です…
■なぜ光っているの?
・光に集まってくる虫などに胞子を運ばせている?という説
・クモなどの捕食者を光で誘引して、きのこを食害する虫を食べてもらっているのではないか?という説
・毒があることを捕食者にアピールしている?という説
など、さまざまな説が言われていますが、いまのところ結論にはいたっていません。
■さいごに
光るきのこを初めて知った時、南の島に行かないとみることが出来ない、私にとって夢のような存在でした。しかし、いろんな出会いの中で光るきのこの師匠に出会い、そして光るきのこの観察の仕方や探し方を教わりました。それから地元の山にも何度も足を運び、ついに見つけることができました。あの時の感動はついさっき起こった出来事のように鮮明で、そして神秘的で、いろんなひらめきをもらいました。
昔から光るものが大好きで、小さい頃はこの時期になるとホタル探しに出かけていましたが、大きくなった今ではホタル探しよりも光るきのこ探しになってしまいました…。ほんと、出会いってどこにあるかわからないなぁ。
■参考
南西日本菌類誌 軟質高等菌類(寺嶋芳江、高橋春樹、種山裕一 編著  東海大学出版部)
光るキノコと夜の森(西野嘉憲 写、大場裕一 解説  株式会社岩波書店)

取材協力/光るきのこ研究会
製作協力/DogaLABO
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