油山市民の森からのお知らせ

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2020/10/09 きのこ豆知識
アラゲキクラゲ(荒毛木耳)


■時期
一年中見られますが、雨の多く降る日だと観察しやすいですが、乾燥しても形が残っていることもあるので、比較的観察はしやすいです。(ただ、乾燥したアラゲキクラゲは木と同じ色であることが多いので、見過すことも多いかも…)
■生える環境
主に広葉樹の倒木、切り株などに生えています。わりと人っけの多い所でも観察することが出来ます。

↑倒木に生えたアラゲキクラゲ
■名前の由来
キクラゲと聞くと、海の生きものと勘違いされることも多いですが、こりこりの食感と食用クラゲに似ていることから木に生えるクラゲ、そして目に見えるくらいに白い毛が密集して生えているため「アラゲキクラゲ」と名前が付きました。

↑アラゲキクラゲの「荒毛」の様子
■特徴
きのこの形は円盤状、盃状、耳状などで、木に付着しています。キクラゲよりも固いゼラチン質(こんにゃくのような感触)で表面には白っぽい毛が生えています。きのこの胞子は、内側(白い毛が無い滑らかな部分)に作られます。食用きのことして栽培もされており、料理に使用されている「きくらげ」はアラゲキクラゲの事が多いです。
ちなみに、山の中でキクラゲを探していると…福岡県では前回のキクラゲよりもアラゲキクラゲのほうが遭遇する確率が高いように感じます。図鑑によれば、アラゲキクラゲは南方系の菌であるのに対して、キクラゲは北方系の種類で山手に多いそうです。みなさんが住んでいる地域ではどうでしょうか?

■キクラゲとアラゲキクラゲ
前回のキクラゲ、そして今回のアラゲキクラゲの特徴や写真をみてみていかがでしょうか?よく似ていますよね。ここでは、図鑑を参考に簡単なキクラゲとアラゲキクラゲの違いについて比較をしていきたいと思います!
↑まずは乾燥した個体から…
左はキクラゲで右はアラゲキクラゲです。両種とも乾燥すると固くなり縮こまります。
↑光にあててみると…
湿った状態のアラゲキクラゲ(左)とキクラゲ(右)は太陽にかざしてみると、明るさに違いがあります。
■最近のキクラゲ事情
いままで私たちが見てきたキクラゲやアラゲキクラゲ…。実は、これらは複数の種類に分かれていることが分かってきました。
日本に生息しているキクラゲ類は13種類あると言われ、もしかしたらこれからも“未知”のキクラゲ類が見つかるかもしれません。
キクラゲAuricularia auricula-judae(Bull.) Wettst. (=A. auricula(Hook.) Underw.)
ナンカイキクラゲAuricularia cornea Ehrenb.
アミキクラゲAuricularia delicata(Mont. ex Fr.) Henn.?
キクラゲモドキAuricularia fuscosuccinea(Mont.) Henn. (=A. semipellucida Kobayasi)
和名なしAuricularia heimuer F. Wu, B.K. Cui & Y.C. Dai
オオアラゲキクラゲAuricularia hispida Iwade
ヒダキクラゲAuricularia mesenterica(Dicks.) Pers.
コクロキクラゲAuricularia minor Kobayasi
和名なしAuricularia minutissima Y.C. Dai, F. Wu & Malysheva
カミキクラゲAuricularia papyracea Yasuda?
アラゲキクラゲAuricularia polytricha(Mont.) Sacc.
和名なしAuricularia thailandica Bandara & K.D. Hyde
和名なしAuricularia villosula Malysheva
※ちなみ文字を青くした種類は、販売されている「日本のきのこ」図鑑に載っているものです。
■さいごに
最新の技術はわかることもたくさんありますが、一方でこんがらがってしまうのも悩み…ある人は「これ」といっても、ある人は「ちがう」という。なんとも難しい世界に私は生きています。だけど意見を言い合える環境はとても大事だと思うし、それによって気が付ける景色もまた、自分の中の知識棚が更新されていくようです。これからもいろいろな発見や発表があると思いますが、私はいつも通りの私のままで、これからもきのこたちと一緒に遊んだり、きのこを通して「学ぶ力」を大事にしていきたいです。
■参考
書籍
日本のきのこ(山と渓谷社 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編解説)
標準原色図鑑全集14菌類きのこ・かび(今関六也・本郷次雄・椿啓介 著)
論文
日本産“Auricularia auricula-judae”および“A.polytricha”の分子系統解析と形態比較に基づく分類学的検討(白水貴 稲葉重樹 牛島秀爾 奥田康仁 長澤栄史 著)
製作協力/DogaLABO
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