油山市民の森からのお知らせ

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2021/07/09 きのこ豆知識
イヌセンボンタケ(犬千本茸)【追記】


■時期
春から秋(6月頃から10月頃)
■生える環境
腐生菌で、切り株や朽木、または朽木周辺の苔のすき間や地面からたくさん生えてきます。

↑地面からでていたイヌセンボンタケ。
↑大量に生える風景は、迫力があります。
■特徴
傘の大きさは、0.8センチから1.5センチほどのとても小さくて弱々しいきのこです。きのこは全体的に半透明でもろく、幼菌の時には傘や柄には微小な毛をまとっています。

↑傘表面の拡大写真。小さいほど毛は分かりやすいですが、大きく成長していくと目立たなくなります。
↑柄はガラス細工のようにきれいな白色をしています。表面には微毛がありますが、成長と共になくなっていきますし、少し触れただけでも取れてしまいます。

↑これは環境によってない場合もありますが、生えている境目付近には小さな毛が生えていることもあります。
きのこ自体は、はじめ白色ですが、成熟するとヒダや傘も黒っぽく変化してきます。ただし、“ヒトヨタケ”のようには液化せず溶けることはありません。

↑イヌセンボンタケは幼菌も成菌も一度に見られる確率が高いので、成長観察しやすいきのこのひとつになります。
↑ヒダもはじめは白色ですが、成熟するとだんだんと黒っぽく変化していきます。
↑真夏の暑さに、へばった様子のイヌセンボンタケ。乾燥するとすぐにカピカピになってしまいます。
■名前の由来
「犬」とつく理由は、犬の好物だから。という意味では一切なく、日本には仏教用語から派生した言葉で「いぬちくしょう」というものがあります。これは、動物界の犬よりも劣っている行いをする人をさす言葉で、それが転じて、日本ではより役に立たない(有用ではない)物に対して「イヌ」をつける風習があったそうです。イヌセンボンタケ自体は食毒不明ですが、とてももろく、儚く、弱々しく…これを食べようとは確かに思いません。そのため、「犬」という名前を例えて付いているのではないかと思います。また、このきのこが生えるときに数千本から数万本生えることも多くあります。なので「千本茸」という名前がついたようです。

■菌糸塊(ozonium)の存在
イヌセンボンタケは、ナヨタケ科キララタケ属のきのこです。野外ではほとんど見ることは無いけれど、イヌセンボンタケを培養すると培地全体に黄褐色の菌糸塊(オゾニウムozonium)をつくることもあるそうです。この特徴オゾニウムを形成する「コキララタケ」と同じ特徴になりますね。この点からも両種は近い仲間であることが言えるのだと思います。

↑写真はコキララタケの菌糸塊(オゾニウム)
■イヌセンボンタケとタシロランとの関係
最近の研究で、ラン科植物の「タシロラン」と関わりが深いことがわかりました。
このページでは、タシロランがどのような植物なのか書いていきたいと思います。

タシロラン(田代蘭)は、葉緑素をもたない真っ白い植物になります。明治39年、長崎で田代善太郎が発見したのでこの名前がつきました。

この植物は、菌類との関わりを持たないと成長することができない「菌従属栄養植物(きんじゅうぞくえいようしょくぶつ)」あるいは「菌寄生植物」といわれる植物です。漢字がならんで難しいように聞こえますが、分かりやすく言うと、きのこの菌糸にとりついて栄養を奪っている植物のことを指しています。
→詳しくは「きのこ豆知識 特別編ユウレイタケ(幽霊茸)」で紹介をしています!

■参考
<書籍>
日本のきのこ(山と渓谷社 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編解説)
森を食べる植物(岩波書店 塚谷裕一 著)
くらべてわかるきのこ(山と渓谷社 吹春俊光 監)
製作協力/DogaLABO
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