油山市民の森からのお知らせ

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2020/11/27 きのこ豆知識
ハツタケ(初茸)


時期
夏から秋(福岡県内では10月から12月)
生える環境
アカマツ林やクロマツ林などに発生するきのこです。
特徴
傘は5センチから10センチで、表面は柿色で白っぽい環紋(かんもん)(または年輪状の模様と表現することもあります。)があります。発生環境によっては、傘の色がオレンジ色の強い個体や淡い色の個体など様々あります。

湿ると多少粘性があり、ひだは、ワイン色で密。傷がつくと血のような赤い乳液をだします。

乳液や傷がついた部分は次第に青緑色に変色をしていきます。そのため、地方名で「ロクショウ、ロクショウモタセ、ロクショウハツタケ」と呼んでいるところもあります。
古くなると、全体が黒っぽくなっていきます。

名前の由来
「初茸」は、名前のとおりきのこの初物。きのこの季節を告げるきのこです。
親しまれているきのこ
古くから、日本人にも親しまれており、松尾芭蕉や小林一茶なども「ハツタケ」をテーマに句を詠んでいます。
“例句”
・初茸の それが勝手か 裏返し     尾崎紅葉
・初茸の  無疵に出るや 袂から      小林一茶
・初茸を 山浅く狩りて 戻りけり    高浜虚子
・初茸は われを待つことなく ほうけ  山口青邨
・初茸の どこか傷つく ところあり   嶋田麻紀
・はつ茸や 妹にくハせん 草結び    才麿
・初茸や 若き松より 日のもるる    奥寺田守
・初茸に 紛るる庵や 松の中      支考
・初茸や 秋すさまじき 浅茅原     籾山梓月
・月光に濡れて 初茸 ひらきだす    野村東央留
・初たけの 出るか出るかと 日和まち  蟾居    
・初茸や まだ日数 へぬ 秋の露    松尾芭蕉       
など 
■昔から利用されている「食」きのこ
赤に緑にと毒々しい色合いですが、食用きのことしても有名です。
昔から、良いだし汁がでるきのことして知られており、一般的には炊き込みご飯や汁もので利用されることが多いです。 また、きのこ自体はバター炒め、てんぷら、煮つけなど、様々な具材として利用されているようです。
■よく似ているきのこと近縁種
・キチチタケ(毒きのこ)
次週紹介するきのこでうが、傘の模様はパッと見た目がそっくりなきのこです。しかし、ヒダの色や乳液の色などに注目すると、その違いははっきりと分かります。
※キチチタケは図鑑によって食毒の記載が異なっていますが、このブログでは毒きのことして紹介します。
↑傘の色は、個体によってちがいハツタケのように環紋が目立つものもいます。

↑ヒダは白っぽい色をしています。傷つけると「黄色の乳液」が出てくるのが特徴です。
・アカハツ

ハツタケと比べると、傘の環紋はあまり目立ちません。裏側のヒダはオレンジ色になっていて傷つくとはじめ橙色の乳液がでてきますが時間がたつと緑色に染まってきます。
・アカモミタケ
秋から初冬にかけて、モミ林の地上に生えるきのこです。ハツタケによく似ていますが、ヒダはオレンジ色味が強く、傷つけると朱色の乳液が出てきますが、他の色に変色することはありません。

↑傘表面はハツタケと似た感じです。
↑柄には、水玉状の窪みがありオレンジ色です。
・ルリハツタケ

↑どちらかというと出会える機会は少ないきのこになります。全体的に瑠璃色ではっきりとした環紋があります。
さいごに
松林を歩いていた時、落ち葉のすき間から顔をのぞかせる一本のきのこ。これは!と思って急いで駆け寄るとそれはキチチタケでした。きのこ探しはなかなか思うようにはいかないけれど、最後にはいつも嬉しい出来事がまっています。今回も、帰り道をとぼとぼ帰っていると、
「あっこれは!」
地面にしゃがんで観察してみると、その姿はまさしくハツタケの姿でした。ようやく出会えたこの瞬間が、きのこ探しの楽しみの一つでもあるのかもしれません。
参考
「山溪カラー名鑑 増補改訂新版 日本のきのこ」(山と渓谷社)
「カラー版 きのこ 見分け方 食べ方」(清水大典、伊沢正名著 家の光協会)
「北陸のきのこ図鑑」(池内良幸著 橋本確文堂)
日本のきのこ(山と渓谷社 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編解説)
製作協力/DogaLABO
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