油山市民の森からのお知らせ

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2020/08/09 きのこ豆知識
ツクツクボウシタケ(つくつく法師茸)


■生える時期
6月から11月頃まで
■生える環境
寄生菌で、主にツクツクボウシの幼虫から発生します。非常に稀にアブラゼミなどのセミからもでてきます。
■特徴
ツクツクボウシタケ(アナモルフ)
宿主であるセミの幼虫は土の中で過ごしているため、地中からきのこがぐんぐんと伸びてきます。セミの幼虫の体は白い菌糸で覆われ、きのこ(分生子柄束)は頭部から出てくることが多いです。

きのこの形はまっすぐ直線的に伸びるものもいますが、先端で分岐するものもいます。地上に顔を出した子実体は、頂点に白い粉(分生子)をたくさんつけます。

ツクツクボウシセミタケ(テレオモルフ)
きのこの形は棍棒型で宿主の頭部から1本から10本発生します。宿主の体は、白い菌糸に覆われています。まれに、ツクツクボウシタケ(アナモルフ)も同じ個体からでることがあります。

今回見つけた所は、沢沿いの崖でした。こんなところにあるなんて…
ちょっと全体をみるために堀出してみました。

冬虫夏草の各部の名称を簡単に書いてみました。

■アナモルフ(無性世代)とテレオモルフ(有性世代)について
一言に「アナモルフ」「テレオモルフ」と言っても、何のことだかわかりにくいと思います…
私もこの生活型を覚えるのにはなかなか時間がかかりましたし、今でも「ん?どういうことだ?」と思うこともたくさんあります。
このブログでは、私自身が解釈して書いたり、図鑑を見ながら書いていますので参考程度に見て頂けると嬉しいです。

一般的に冬虫夏草の名称で親しまれている多くの種類は、有性世代に属していてこの代表がササナギタケやセミタケなどのCordyceps属で、他にも数種類存在します。一方、無性世代に属しているものの代表的なものにハナサナギタケやツクツクボウシタケなどがあります。



※最近では、アナモルフとテレオモルフについてそれぞれ学名があるのは問題とされ、一つの種に一つの学名とすることが検討されています。
■きのこちゃん劇場
漫画風にテレオモルフとアナモルフについて描いてみました。(この漫画では、形にはこだわらず説明を分かりやすくするために描いています)

■ちょっとした実験
ツクツクボウシタケやツクツクボウシセミタケを覆っている白い菌糸…さわるともふもふふでひんやりしていて、不思議な感触があります。そんなきのこをブラックライト(紫外線)で見てみると、どうなるでしょうか。

な、な、なんと菌糸が光っているんですね…
ただ、光ると言ってもすべてが光るわけではありません。なぜだろう…
冬虫夏草の仲間には他にも、紫外線で光るものがあるので、見つけた際は試してみてくださいね!
■漢方薬での名前
薬用「蝉花(ぜんか)」の名前で売られています。まれにツクツクボウシセミタケが混入していることもあるようです。
■さいごに
虫から生えるきのこ…。調べれば調べるほど「神秘的で謎が深いなぁ」といつも感じさせられます。でも、この出会いがあったから楽しみもすごく増えたし、人と人との出会いもここから始まりました。ひとつの出会いで無限大に出会いが増えるということは、学ぶことも多いし、でも自分自身も成長できるきっかけをもらっていいるということ。生きものの世界は奥が深いなぁと感じる時間でした。(なんかいつも言っているような気がする…)
■参考
冬虫夏草生態図鑑(誠文堂新光社 日本冬虫夏草の会編著)
日本のきのこ(山と渓谷社 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編解説)
冬虫夏草図鑑(家の光協会 清水大典著)
製作協力/DogaLABO
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