油山市民の森からのお知らせ

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2020/06/13 きのこ豆知識
キヌガサタケ(衣笠茸)

■生える時期
梅雨時期と秋(特に雨が降り続いた後)
■生える環境
竹林で見られることが多いですが、まれに竹林跡や広葉樹林内で見られることがあります。
深夜から明け方にかけてきのこがでてきます。(非常にまれに昼過ぎに出てくるものもあります)
■特徴
子実体は初めはまんまるい卵型として地上に現れます。大きさはだいたい5センチから8センチで指で押してみると弾力があります。袋(殻皮)の中は半透明のゼランチン状で、その内部に基本体(グレバ(未熟))が形成されます。根元付近には太めの根状菌糸束があり、地面の中へと続いています。
成熟すると、袋の先端が大きく裂け始め、基本体(グレバ(未熟))をのせたかさの先端が現れ、さらに托(柄)がすみやかに伸びてきます。托の伸びが限界に達したところでかさの内面に折りたたまれていた菌網(きんもう)と呼ばれるレース状のマントが伸び始めます。きのこ自体は悪臭を放ち、さまざまな生きものたちを呼び寄せます。

■名前の由来
衣笠とは絹で張った長柄の傘で、昔、高貴の人が外出するときに後ろから差し掛けていたもので、そこから名前がきています。
別名をコムソウタケ。漢字で書くと「虚無僧茸」これは、僧の深編笠に擬した名前です。
■キヌガサタケの種類
一言に“キヌガサタケ”といってもいくつかの種類が存在します。



ウスキキヌガサタケ(薄黄衣笠茸)

その他に…
・マクキヌガサタケ
・ウスキキヌガサタケ類似種(宮古島、石垣島、西表島にて発見されています)
など、中にはまだ知られていないキヌガサタケの仲間もいるようです。

■中国では高級食材!?
キヌガサタケは中国では「竹蓀(チュウスン、ツースン)」とよばれ、高級食材として珍重されています。ちなみに、日本国内でも栽培しているところがあるようですね。
中国では頭部の粘液質を洗い落として乾燥した物を湯(たん:スープの具)として珍重しているとのこと。
■漢方薬としてのキヌガサタケ
漢方薬の本を見てみると、「黄裙竹蓀」と呼ばれるキヌガサタケの仲間が使われており、脚気(かっけ:ビタミンBの欠乏のために、末梢(まっしょう)神経がおかされ、足がしびれたりむくんだりする症状。)を治すといわれています。
■キヌガサタケにやってくるいきものたち
キヌガサタケ含め、スッポンタケの仲間は悪臭をはなつきのことしても有名です。そんなきのこたちにはいつも尋ね人がいらっしゃいます。例えば、かたつむりやハエの仲間、シデムシの仲間、まれにイシガケチョウというチョウの仲間も飛んできます。

■さいごに
キヌガサタケは別名「きのこの女王様」と呼ばれていて、その姿は美しく、だけど、なかなか姿をあらわさないちょっと変わったきのこです。そんなきのこに出会えた時は、どこか現実ではないような、異国に迷い込んだようなそんな不思議な感覚がありました。「きのこ」といってもいろんな形や色があって、生活スタイルも違っています。そんなきのこたちに出会えて本当にうれしかったです。 
■参考
宮崎のきのこ(みやざき文庫116 黒木秀一著)
日本のきのこ(山と渓谷社 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編解説)
中国の薬用菌類(波著、難波雄・布目慎勇共訳)
ザ・高尾2キノコの誘(のんぶる舎 羽鳥然自画 畔上能力著)
製作協力/DogaLABO
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